【ワシントン=五十嵐文】米ワシントンのトップエリートらを対象とする高級売春クラブを経営していたとして起訴された通称「DCマダム」ことジーン・パルフリー被告が、米ABCテレビに顧客名簿を渡したことが分かり、政財界に波紋を広げている。
すでに国務省で対外援助を総括するランドール・トビアス外国援助局長兼国際開発庁(USAID)長官が顧客だったことを認めて辞任したほか、政権内のエコノミストや最高経営責任者(CEO)、有力ロビイストや軍幹部が名簿に含まれているとされ、大がかりなセックス・スキャンダルに発展する可能性が出てきた。
「DCマダム」は1993年から2006年までの13年間、カリフォルニア州から電子メールでワシントン周辺のコールガール約100人に指示を出すなどして売春をあっせんし、約200万ドルを稼いだとされる。
マダム自身は、「売春ではなく、性的で幻想的なサービス」だったと主張。サービスがマッサージなど合法的なサービスだったことを顧客に法廷で証明してもらうため、数十人の米政府関係者を特定する意向。ABCテレビにも名簿を渡したと話している。
ABCテレビは名簿に基づき、トビアス長官に取材、本人も利用を認めた。同テレビは名簿そのものは公開していない。