悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年09月13日(土) 01時53分

エステ顧客データをネット公開した発信者の開示を命令朝日新聞

 エステティックサロン大手のTBCが管理する約3万8000人分の個人データが流出し、インターネット上に電話番号などのデータが無断でさらされ続けたとして、被害者2人が、公開した人物を特定するため、プロバイダー「パワードコム」(東京都港区、旧東京通信ネットワーク)を相手に氏名や住所の開示を求めた訴訟の判決が12日、東京地裁であった。菅野博之裁判長は「プライバシー権の侵害は明らかだ」と述べて開示を命じた。

 判決などによると、個人データをネット上で受信可能にした氏名不詳の発信者は「WinMX」というファイル交換ソフトを利用していた。このソフトを使えば、だれでも大容量のデータを短時間で自分のパソコンに取り込むことができ、流出した個人情報がとめどなく広がる事態が起きた。

 裁判の最大の争点は、「WinMX」を使ったデータのやり取りが、プロバイダー法の開示対象になる「不特定の者への電気通信(特定電気通信)」にあたるかどうかだった。データを送受信する際、受け手と送り手が「1対1」の関係になり、不特定者への通信といえないのではないかとの問題があったためだ。判決は「誰でもデータを取得できる状態に置いたのだから、一連の情報の流れから特定電気通信に該当する」と明確に結論づける初の判断を示した。

 流出したデータは、TBCを経営する「コミー」(東京都新宿区)のホームページにアクセスし、アンケートに答えた人の住所、氏名、電話番号、メールアドレスやスリーサイズなど。02年5月に発覚して以来、同社がデータ回収作業を続けている。裁判費用は同社が負担したという。

     ◇

 WinMX ファイル交換ソフトの一つ。ネット上で無料で入手できる。このソフトを組み込んだパソコン同士は、インターネットを介してファイルやデータを交換できる。受信者側は、検索条件を入力するだけで世界中のパソコンの共有フォルダに置かれているファイルを探して交換することが可能だ。音楽ファイルやゲームソフトも交換でき、著作権侵害の問題が起きている。(09/13 01:53)

http://www.asahi.com/national/update/0913/004.html